2期に分けての造園工事を経て、平成21年晩秋に完成した大網白里町のH邸です。
回遊式の純日本庭園。完成から１年経過して、石と緑が全体の景観を引き立たせています。
白砂の上にチリひとつないほどのお施主の行き届いた管理と、苔に対する愛情のこもった日常の世話に感動させられます。とくに、苔は千葉県(おもに海岸地帯)ではダメというのが通説ですが、ここではよく活着し、立派に繁茂しています。
余談ですが、こちらの庭園は昨年、３年の研修を終え、家業(造園会社)を継ぐため退職したW君が設計・施工全般に関与した、いわば卒業施工の庭園であります。
日本庭園の持つ、建築との穏やかな調和に少しは近づけたかと思います。
また、うわべだけでなく、中身のある造園工事(もちろん日本庭園だけが造園ではありませんが)をするにあたり、若き職人たちを信頼し、絶好の機会を与えて頂いたお施主に、改めて感謝を申し上げたいと存じます。お住まいがログハウスということで、木の温もりを壊さず、どうお庭とあわせるかを考えました。
法面をそのまま使い、鳥海石を据えることで山のイメージを・・・・。
塀・垣根を作らず、植栽はソヨゴ・ツバキと低木のサツキ・ヒメリュウのみとすることで、石と家を引き立たせ、すっきりとした感じを出しました。
駐車場部分は、家と同じ色合いのミカモ石で石積みしました。また、お施主さんご提案で、車庫入れし易いように入れたインターロッキングのラインは、アクセントも兼ねて、とてもいい感じになりました。
